顧問ブログ

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【女子バスケットボール】新年度ご挨拶

4月1日となり、新たな年度が始まりました。

改めて今年度も顧問およびHCを務めます板倉です。チームでの活動を通して部員たちが成長できるよう、精一杯のサポートをして参りますのでよろしくお願いいたします。

そして4月から西高生になる皆さん。女子バスケットボール部では一緒に頑張る仲間を大募集中です。現在は3年生2名、2年生4名の6名で活動しており、人数は少ないですが、明るく楽しく一生懸命にバスケットに取り組んでいます。今バスケットをしている人、そうでない人、運動の得意な人、苦手な人、3年間一生懸命頑張れるならばどんな人でもかまいません。選手・マネージャー問わず募集しているので、少しでも興味のある人は是非体験に来てみてください。

さて、今日から2025年度が始まります。365日の中の1日といってしまえばそれまでですが、新たに何かを始めたり、決意を新たにするにはいい日なのではないかと思います。昨年は部活動の価値について書きました。今年は我々のチームが持つ価値について私の考えを述べたいと思います。

高校の3年間というのは特別な時間です。おそらく人生の中でも最も濃度の高い3年間であり、ただただなんとなく過ごしても十分に楽しい時間を過ごすことはできるでしょう。その中で時にはやりたいことを犠牲にしながら自分の時間を使って活動する我々のチームの価値とは何なのでしょうか。

チームの価値を考えるうえで、このチームが担うべき使命について考えるのを避けることはできません。私が考えるこのチームの使命は、「バスケットボールを通じてチームに関係する人たちの人生を豊かにすること。」です。バスケットボールはどこまで行ってもスポーツであり、人生の一部です。その人の人生の中でどのくらいの大きさを占めることになるかはその人次第ですが、一部であるという事は変わりません。人生の前にバスケットが来ることがあってはいけませんし、バスケットを使って、(あえてこの表現をします)その人の人生を豊かにするという事が、すべてのバスケットボールチームに共通する使命なのではないでしょうか。

逆に言えば、人生が豊かにならないようなバスケットへの取り組みをすべきではないですし、私自身は一生懸命にバスケットに取り組むという事がその人の人生を良いものにすると信じています。したがって、私が所属するチームでは一生懸命にバスケットをすることによってその人の人生を良いものにするという事が一番大きなチームのゴールになるのではないかと思います。

そして、人生を豊かにするのは選手やマネージャーだけではないとも思います。かかわっていただける保護者の方や応援してくれる学校関係者、OGたち、もしかしたらいるのかもしれない西高女子バスケットのファンの方、もちろん私自身も含めて、チームにかかわるすべての人たちの人生が豊かになるような活動を行いたいなと思います。そのため、学校の内外で応援してもらえるようなチーム、応援してくれる人たちに応援してよかったと思ってもらえるようなチームであることをゴールにして活動を行いたいと考えています。

そして、そのゴールを達成するために、我々のチームでは「バスケットボールゲームの勝者を目指すことを通じて、バスケットボールの勝者になる」ことを目指したいと思います。バスケットボールゲームの勝者になるということは、すなわちゲームに勝利するという事であり、我々は徹底してこれを目指したいと思います。昨今の風潮として、勝利を目指すという事があまりよしとされず、結果より過程を重視すべきであるというものがあるように感じます。しかし、私は勝利を目指さなければ過程に価値は生まれづらいのではないかと思っています。私が尊敬する指導者の方がおっしゃっていたことの一つに「必死に勝利を目指す過程こそが、最後に出る結果に価値を生む。」というものがあります。結果だけを見てしまう事は確かに間違いを生むかもしれません。しかし、勝っても負けてもいい取り組みの中で得られる負けにどれほどの価値があるでしょうか。勝利を目指して一生懸命に頑張るからこそ、届かなかったという結果からも学ぶことができ、それを通してその人の人生は豊かになると私は信じています。もちろんまだまだ我々のチームは未熟で、勝てるチームというには程遠いのが現状です。しかし、勝利を目指すという事だけは絶対に曲げずに活動をしていきたいと思います。

そして、ある意味でバスケットボールゲームに勝利することより難しいのが、バスケットボールの勝者となることです。以前からこのブログで何回かこの表現を用いていますが、バスケットボールの勝者になるとはどういうことなのでしょうか。

この日本に最後の大会を勝利して終われるチームというのは1つしかありません。高校女子カテゴリーであれば、ウィンターカップの優勝校がそれに該当し、昨年度はおおよそ6000チームの中から京都精華学園が優勝しています。したがって、究極的にはこの日本においてゲームの勝者となったといえるのは京都精華学園なのでしょう。では、それ以外のチームは敗者なのでしょうか。先ほど書いたゲームの勝利を追求するという内容とは矛盾しそうですが、私はそうは思いません。決勝で京都精華と激戦を繰り広げた慶誠高校、下級生中心のチームながら素晴らしい戦いを見せてくれた大阪薫英高校、個人的に応援したいなと思わせるようなバスケットをしていた鵠沼高校や県立小林高校。ぱっと思いつくだけでも素晴らしいチームがたくさんあり、そのどれもが勝利をつかもうと必死に取り組み、バスケットの勝者に値するチームだったと思います。(思いつくままにあげているので他の素晴らしいチームを落としています。全部書こうとするとスペースが足りません。ごめんなさい。)ここであげられるチームはウィンターカップの本選に出場しているチームであり、そのチームと戦って涙をのんだ素晴らしいチームがこの日本の中に無数に存在しているのだと思います。

ゲームの勝者になれるのは1チームです。(バスケットに引き分けはありません)そして多くのチームや選手はそれに届きません。その届かないかもしれないゴールに対して日々頑張ること、そのために己を律し、闘うこと、苦しい環境に置かれたときに正しい行動をとること、それこそがバスケットボールの勝者と呼べるもののふるまいであり、バスケットボールの勝者となるには必ずしもゲームの勝者である必要はありません。ただそれを目指して一生懸命に取り組み、それに値する行動をとり続けることに尽きるのだと思います。

そして、バスケットボールの勝者を目指すことは必ず彼女たちの人生やチームにかかわる人たちの人生を豊かにし、そのことこそが我々のチームが持つ使命であり、価値であると私は信じています。

長いうえにまとまらない文章で申し訳ありませんが、私自身は我々のチームが持つ価値や目指すべき場所をこのようにとらえています。

最後に、NBAのスーパースターであるヤニス・アデトクンボ選手がプレーオフで敗退した後の記者会見で答えた内容が私の伝えたいことを十分に表していると感じたのでシェアします。この活動を通して、彼女たちがバスケットボールの勝者となって人生を豊かにできるよう、一生懸命に頑張っていきますので、今年度も我々苫小牧西高校女子バスケットボール部を応援いただきますようよろしくお願いいたします。