【女子バスケットボール】夏休み前半戦
暑い日々が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私が苫小牧に来てから年々暑くなっている感があり、このままいくと数年後には本州と変わらなくなるんじゃないかと不安な日々を過ごしています。
夏休みが始まり、暑い中でもチームは元気に活動しています。夏休み前半は恒例の練習試合ラッシュで、7/27には白老中学校・白翔中学校に来校いただいて練習試合、7/30,31,8/1には夏の遠征として、札幌日大高校、札幌東高校、岩見沢緑陵高校にお邪魔してそれぞれ練習試合、苫小牧に帰ってきて8/6にはウトナイ中学校にお邪魔して練習試合、8/10は苫小牧南高校にお邪魔して南高校、苫小牧東高校、苫小牧総合経済高校、室蘭清水丘高校と練習試合をさせていただきました。この期間で多くの実戦経験を積むことができ、チームとして向上する良い機会となりました。お世話になった学校の皆様、ありがとうございました。
とはいうものの、夏休み前半を振り返ると、率直に言って「思い通りにいかんかったなあ」でした。夏の遠征では気象状況や体調不良などで思うように試合をこなせず、そのほかにもけが人が出たこともあってチームとしてこの機会を十二分に生かすことができたかというと少し物足りなかったかなというのが正直な気持ちです。もちろん自然環境はノーコントロールですし、どれだけ気を付けていても体調不良になることはあります。一生懸命にプレーすればするだけ怪我のリスクもありますし、人数が少ない状況でやっているのでなおさらのことです。部員達それぞれは一生懸命にやっている中でのことなので何が悪いという事を言いたいのではありませんが、それでもこれだけ思い通りにいかないことが続くとなんだかなあというのが正直なところです。(私の日頃の行いがよほどよろしくないという事なのでしょうか…)
その中でよかったのは、チームの構成員が誰一人として「だからできない」というメッセージを発さなかったことかなと思います。いつも言う事ですが、苦しい状況、難しい状況の中で何ができるかがその人や組織の本当の価値であり、バスケットボールの勝者とそれ以外を分ける大きな要素です。そういう意味では、この難しい状況の中でもプレーする選手が前を向いて、自分にできることを探して必死に取り組む姿勢が見られたのは、チームとしての成長を感じられる場面だったかなと思います。
さて、夏休みも一区切りという事で最近心に残った話題を一つ。私は東京医療保健大学の恩塚亨さんという指導者が非常に好きで、よくクリニックビデオを見て参考にさせていただいています。少し前まで女子日本代表のHCをされていて、日本でももっとも有名な指導者の一人なので今更私が紹介するまでもない方なのですが、最近見たクリニックビデオの中で非常にいいことをおっしゃっておられたので紹介したいと思います。ドライブに対する合わせを指導する中で、ボールレシーバーがスペーシングを怠ったり、レシーブの声が出ないという事に対して、恩塚さんはこのようなことを言われていました。(覚えている内容を私の解釈含めて書いているのでもしかしたら少し表現は異なるかもしれません)
「ゲームの勝敗というものを考えたときに、やれることをやらずに負けるというのは悔しくない?スペーシングをすることや声を出すことは誰にでもできることで当然やった方がいいこと、それをやらずにいることが原因で負けるのは悔しくない?」
ここまではある程度よく聞く話で、私自身も似たような話をすることがあります。それに加えて恩塚さん曰く
「当然やった方がいいことをきちんとやり切れる自分になるのかどうかっていうのは大きな問題だと思うよ。」
何気ない一言かもしれませんが、この後半を聞いて、今我々が掲げているバスケットボールの勝者というのはこういう事なのかと少しわかったような感じになりました。恩塚さんはよく「どういう自分になるのか」という表現を使って話をされますが、まさにこれこそが「どういう自分になるのか、やった方が当然いいことをきちんとやり切る自分になるのか、そうでない自分のままでいるのか」という分水嶺なのではないでしょうか。
我々は普段生活する中でも、当然やった方がいいことだけど少しやるのが億劫なことというものがしばしば現れます。(というより、我々の生活はそういったものであふれているのではないでしょうか。)そしてそういったものは往々にして、一回するのは簡単でも毎回毎回継続することが難しいものであったりします。そのやった方がいいことを毎回毎回きちんとやり切る自分でいるのか、あるいは億劫さに流されてやれない自分のままなのか。これを分けるものこそ我々の意志の力であり、バスケットボールの勝者とそれ以外を分ける大きな境目なのではないでしょうか。
バスケットをしている中でこういった発見をできることが数多くあり、そのたびに本当に面白い競技だな、人生の時間を費やすに値する価値がある取り組みだなと思わされます。その価値や良さをもっともっと発信できるよう、まずは我々がその価値を体現できるチームになれるようにこれからも取り組んでいきたいと思います。
さて、明後日からチームはお盆休みに入ります。お盆が開ければすぐに新学期、バスケットに集中できる幸せな期間はあと少しです。そして2学期が始まればすぐに試験、それが終わるとウィンターカップの予選となります。限られた時間の中で少しでもチームが向上して試合に向かえるよう、また一生懸命に頑張りたいと思います。