顧問ブログ

新年度ご挨拶

4月1日となり、新たな年度が始まりました。

改めて今年度も顧問およびHCを務めます板倉です。チームでの活動を通して部員たちが成長できるよう、精一杯のサポートをして参りますのでよろしくお願いいたします。

そして4月から西高生になる皆さん。女子バスケットボール部では一緒に頑張る仲間を大募集中です。現在は3年生6名、2年生3名の9名で活動しており、人数は少ないですが、明るく楽しく一生懸命にバスケットに取り組んでいます。今バスケットをしている人、そうでない人、運動の得意な人、苦手な人、3年間一生懸命頑張れるならばどんな人でもかまいません。選手・マネージャー問わず募集しているので、少しでも興味のある人は是非体験に来てみてください。

ここで少し私自身の思いを書きたいと思います。

前回のブログでも書きましたが、高校生にとっての3年間というのは非常に密度が高く、価値のある時間です。楽しいこともたくさんあり、楽なことをしながらなんとなく学校生活を送っていても十分に楽しい時間を過ごすことはできるでしょう。その中で、自分の時間を使いながら部活動に打ち込むことの価値とは何なのでしょうか。

もちろん、部活動をしていた方が進学や就職で有利だとか、部活動による人間形成がその後の人生において評価されるとかそういった実利的な話もあるのかもしれません。しかし、せっかく自身の貴重な時間を使って活動するのにそれだけでは少しさみしいような気がします。

今回改めてそのことについて考え、私は部活動の価値というのは大きく三つあるのではないかと考えています。

一つ目は仲間との活動であるということ。彼女たちにとってチームの仲間というのは学校生活で一番長い時間をともに過ごす相手となるでしょう。楽しいことやうれしいこと、時には辛いこと、思うようにいかないことをともに分かち合い、一緒に頑張るという経験は生涯においてかけがえのない仲間を作ることにつながると思います。また、様々な仲間とチームとして過ごすことで、人との関係やその中で自分がどう振る舞うのかということについて学ぶことができます。

二つ目にうまくいかないことを学ぶということ。先ほども少し書きましたが、3年間の活動は楽しいことだけではありません。辛いことも経験しますし、うまくいかないことも多くあります。時には理不尽な思いをしながらそれでも前を向かなければいけないときもあるでしょう。特にバスケットというスポーツはその競技の構造上難しいことやできないことが非常に多く、弱者にとって残酷なスポーツです。誤解を恐れずにはっきりと言うと活動をしていく上で大多数の人にとってはうまくいかないことが非常に多くの割合を占めることになるでしょう。そのことと向き合い、どう行動するか、どうやってうまくいかないことを少しでもうまくいくようにするのか。そういった試行錯誤の経験は必ず人生において大きな財産となると考えています。

そして最後に一生懸命頑張る経験をするということ。頑張ると聞くと当たり前のように感じるかもしれませんが、一生懸命頑張る経験というのは意外と人生の中に多くありません。特に昨今は世の中が非常にソフトになり、ともすれば「頑張らないこと」「頑張らせないこと」をよしとする風潮があるように感じます。(このことについて是非を論じてるわけではありません…)しかし、人生において胸を張って「自分はこれを一生懸命に頑張った」といえることを作ることは、非常に大きな価値を持つと思っています。そして、何かを一生懸命必死になって追いかけ、それがうまくいかなかったとしても何かを失うわけではない。言わば「必死になって失敗できる」のは学生時代までではないでしょうか。先ほど述べたように、バスケット部での活動はうまくいかないことの方が多いでしょう。それでも自分と向き合い一生懸命頑張ることが、その人の人生を必ず良いものにすると私は信じています。そしてそれをする環境を用意できるということこそが部活動が提供できる一番大きな価値なのではないでしょうか。

長くなってしまいましたが、私は部活動の価値というものをこういう風に捉えています。そして、自分のチームはこのような価値を提供できる場所であるように私自身も一生懸命頑張らなければいけないと思っています。